曹洞宗 常圓山 皎月院

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禅のことば

2019.01.14

観音さま

曹洞宗も臨済宗も用いる「延命十句観音経」の
解説を引用させて頂きます。

「延命十句観音経」(えんめいじっくかんのんきょう)

【現代語訳】
観世音菩薩さま・・私は仏さまに帰依いたします。
私達は仏さまと同じ因があり、仏さまと縁があります。
本当にありがたいことです。
仏法僧の縁によって、大我(狭い見解や執着から離れた自由自在の悟りの境地)に入り常に色あせることのない、
幸せで浄らかな悟りの世界に安住させて頂くことができます。
ありがとうございます。
仏さまと同じ智慧と大慈大悲
(一切衆生の苦を取り除き、楽を与える広大無辺な慈悲の心)で、
救済活動をされていらっしゃる観世音菩薩さまを感謝の心で
朝に念じ、夕に念じます。
一念一念、観世音菩薩さまを心より念じ、
一念一念大慈大悲の御心と離れません。

延命十句観音経は、短い経文ですが、真の信心をもって唱えると、
災難や苦しみが消え去ると言われ、とても有難いお経です。

因みに、観世音菩薩について説かれた経典は
「妙蓮華経観世音菩薩普門品第二十五」ですが、
この略本と考えられているのが「延命十句観音経」や
「十一面観世音菩薩随願即得陀羅尼」
(オン・マカキャロニキャ・ソワカ)です。
これらの経典は、観音普門品偈文の
「衆生、困厄を被りて、無量の苦、身に逼らんに、観音の妙智の力は、
能く世間の苦を救う。神通力を具足し、広く智の方便を修して、
十方の諸の国土に。刹として身を現ぜざることなし。
種々の諸の悪趣。地獄、鬼、畜生、生、老、病、死の苦は
以て漸く悉く滅せしむ・・」
観世音菩薩の広く優れた慈悲は、あらゆる災いを取り除く力を持つと
説かれております。

大本山永平寺東京別院長谷寺の
麻布大観音(十一面観音菩薩)です。
左手に蓮華の瓶を持ち、右手に数珠をかけ錫杖を持ち、右足を半歩前進する独特の御姿は長谷式といわれ、
観音と地蔵の両菩薩の徳を持つとされています。

禅のことば

2019.01.13

洗面

あっという間に1月も半ばになってしまいました。

私たちは起床後、生活習慣として
顔を洗うことは自然なこと当たり前のことと思いますが、
私が曹洞宗の大本山永平寺へと修行に行った時に
改めて洗面の大切さ、お水の大切さなどなど、
顔を洗うだけにも多くのことを学びました。

道元禅師さまが著し残された書物に
『正法眼蔵』があります。
この中には「洗面」という巻があります。
顔の洗い方が詳細に示されておりますが、
洗う時には、額からまゆ毛、目、鼻、耳や耳裏、あご、ほほを
丁寧に洗うこと。また、ヨダレやツバを桶の中に落とさない
(修行中には桶を必ず使用)余計な水は使わない、
周囲に飛ばさないなどの注意事もあります。
何故なら自分だけではなく皆で使う場所であり、
周囲に対する心づかいは常に必要だからです。
また、気持ちを新たにする。手を使うことによって
頭を働かせるといった意味もあります。

この時期は特にお湯が恋しくなりますがね。
大切に心掛けましょう

禅のことば

2019.01.07

年頭のご挨拶

大変遅くなりましたが、
曹洞宗管長
大本山總持寺の貫首 江川辰三より
年頭のご挨拶を引用させていただきます。

『あけましておめでとうございます。
元旦のことを、「三つの朝」と書いて「三朝」と言います。
一日の始まり、一月の始まり、そして一年の始まりの朝であります。
三朝にあたり、世界の平和と社会の安寧を心より祈念いたします。
あわせて皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
 本年は、大本山總持寺にとって特別な年であります。
本山が石川県の能登から横浜の鶴見に移転された時のご住職であり、
本山御移転の最大の功労者である、石川素童禅師の百回忌を
お迎えいたします。明治31年、不慮の火災によって
壮大な伽藍のほとんどが消失してしまった總持寺は、
再建のめどの立たない中、新しくご住職となった石川禅師の英断のもと、
明治44年に横浜の鶴見に移転され再建がなされました。
總持寺には約7百年の歴史がありますが、
鶴見に移転してからは今年で108年目となります。
 この石川禅師は、私の三代前の師匠であります。
石川禅師のひ孫弟子が私であり、とても近い関係にあるお方です。
本年、石川禅師の百回忌をお勤めできることの有難さを、
しみじみと噛みしめております。石川禅師のみならず、
静かに自分を振り返ると、様々な方から、計り知れない程の
恩を受けてきたことに気づきます。
有難くも、人間としてこの世に生まれてきたことに感謝し、
これらの無量無辺の恩恵に報いていくことが、
人としての大切な勤めであると、常々念じております。
 そして大事なことは、その受けてきた恩恵を、今の社会に、
また次の代へと、きちんと「恩返し」をしていくところにあります。
それには、今まで自分の中に蓄積されてきた全てを、
周りの為に生かしていく工夫が必要になります。
どうか、そのような生き方をよく味わっていただければ幸いです。
 皆様にとって、本年が素晴らしい年であることを重ねてお祈り申し上げます』

禅のことば

2018.12.31

平成最後の大晦日

除夜の鐘は一年の終わり。
大晦日(おおみそか)につく鐘のことをいいます。

晦日みそかの「晦」という字は、暗いという意味です。
晦日は、一年で最も光のない暗い日ということになります。

仏教では、光のない闇の世界を無明(むみょう)といい、
煩悩(ぼんのう)のことを指します。
「除夜(じょや)」とは、文字どおり夜を除くことで、
108あるといわれる無明の煩悩の闇を、
鐘をついて一つ一つ除いていき、
新しい年の輝ける希望の光を迎えるのです。

除夜の鐘ですが、どのような理由で始まったのかと思って調べてみました。
この日に鐘を108回撞く意味については諸説あるようですが、
一番良く知られているのが、108という数が人の煩悩の数であり、
これを消除するためであるとされております。
または、1年の12ヶ月+24節気+72候を合わせて108とする説もあるようです。
ですがこれだと、108という数は煩悩ではないことになりますけどね。

撞き方ですが、
まず鐘に向かって合掌一礼します。
「鳴鐘の偈(めいしょうのげ)」として
「三塗八難 息苦停酸 法界衆生 聞声悟道」
(さんずはーなん、そっくじょうさん、ほっかいしゅじょう、もんしょうごどう)がありますので、それを黙念してから打ちます。
108回のうち107回は旧年のうちに撞き、
残りの1回を新年に撞くとされています。

また、本来108回の鐘は除夜だけでなく毎日朝夕撞かれるべきものでありますが、普段は略して18回に留められます。

皎月院には鐘楼堂はありませんが、
毎年大晦日11時過ぎより本堂にて2年参りとして
法要をさせていただいております。

来年もどうぞよろしくお願いいたします(^人^)

禅のことば

2018.12.30

三徳六味

本年も残り1日

禅宗でいう「精進料理」の基本は、

①「軽軟」あっさりとしている。
②「浄潔」清潔である。
③「如法作」規則通りにできている。

の三徳に「甘(甘い)・辛(からい)・鹹(しょっぱい)
・苦(にがい)・酸(すっぱい)・淡(あわい)」の六味を加え
「三徳六味」と言います。

「淡」は、単純な薄味ではなく
「素材そのものの持ち味を生かす味つけ」のことを言います。

「軽軟」(きょうなん)は、体にやさしく、
まごころが尽くされた謙虚な食事という意味も含まれています。

「浄潔」(じょうけつ)は、食べて健康を害するような
不潔な料理ではなく、衛生面を重視した調理を言います。

当然、作る者の「身心も清浄」でなければなりません。

「如法作」(にょほうさ)は、仏法や戒律の定めに反しない、
正しい調理ということです。

「精進料理」は、正しい仏道修行を成就する為の料理です。
作る者も、食する者も、尊い「仏作仏行」(仏と成るための修行)
に他なりません。
真心から感謝して頂きましょう。

皎月院 こうげついん 副住職プロフィール

皎月院副住職 清水 亨龍

清水 亨龍 こうりゅう

御縁をありがとうございます。
駒大高校、駒澤大学卒業後平成13年冬に大本山永平寺(福井県)へ安居(修行)。平成15年より北海道へ修行。平成23年4月より皎月院へと戻り副住職として補佐をさせて頂いております清水亨龍(こうりゅう)です。 合掌

私の趣味はクライミング、スノーボードなど身体を動かす事です。また旅行も大好きです。ぜひ皆さま気軽にメールやお電話お待ちしております。

どうぞよろしくお願いします
(^人^)

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