曹洞宗 常圓山 皎月院

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お経

2017.08.31

遺経(ゆいきょう)その7

仏垂般涅槃略説教誡経

八大人覚の残りですが、

5、不忘念
【不忘念の功徳】
善き導き手(善知識)を求め、善き道の友を求めたいと思うならば、
心の方向を忘れないこと(不忘念)です。
心の方向を忘れない人は、あらゆる煩悩という賊も入ることはできないでしょう。もしも心の方向を失う人はさまざまな功徳を失います。
心の方向を思う力が強く確かであれば、欲望という賊のなかに入っても、
欲望の危害は受けないでしょう。 たとえば、鎧を着ていれば戦場に入っても怖いことはないようなものです。

6、禅定
【禅定の功徳】
心の方向を内におさめている人は落ち着きの静けさ(定)に安住しています。 心が落ち着き、安住しているから、世間の生死無常の姿〈縁起〉がわかるのです。いつでも励んで、落ち着きの修行をしなさい。落ち着きの静けさを得た人は心が散乱しないのです。
水を大切にする農家が田の畔や堤防を良く管理して修理するようなものです。修行者もまた同じで、智慧という水を大切にするからこそ、よく坐禅の静けさ(禅定)を実践して智慧を漏らさないようにするのです。

7、智慧
【智慧の功徳】
もしも真実なる智慧があれば、貪り、執着の心は起きないでしょう。
智慧をもたない人は、仏道者とはいえません。
真実なる智慧の人は、老、病、死の苦しみの海を渡るしっかりとした船なのです。また、智慧の明かりがない暗闇を照らす大灯明です。
すべて病む人の良き薬です。聞法、思惟、実践の智慧をもって、
自身の智慧の利益を成長させましょう。
もしも人に真実なる智慧の明かりがあれば、肉体的な眼で見ているのであっても、智慧の眼で見る人といっていいでしょう。

8、不戯論
【不戯論の功徳】
もしも、さまざまなつまらない会話(戯論)をすれば、その心が汚れ乱れます。それでは、出家して世間を離れたといっても、まだ世間の煩悩を脱出していません。もしも、静寂、静けさのわ喜びを得たいと思うなら、
ただただつまらない会話を消滅すべきです。

次回からは第四段へと

お経

2017.08.30

遺経(ゆいきょう)その6

仏垂般涅槃略説教誡経(ぶっしはつねはんりゃくせっきょうかいきょう)

次に第三段には
仏教徒として実践すべき功徳として八大人覚(はちだいにんがく)が
説かれます。
1、少欲
【 無求の功徳】
欲望の多い人は利益を求める気持ちが多いので、
苦しみ悩むことも多いのです。
欲の少ない人は、人の好意を欲しがることも五根による煩悩にも引きずられません。小欲を実践するものは、心が平らで憂と恐れがなく、
事態にふれても余裕があり、いつでも不満に思うことはありません。
欲望が少ない者には静けさ(涅槃)があります。

2、知足
【知足の功徳】
もしいろいろな苦しみ、悩みから抜け出したいと思うならば、
まさに足るを知ること(知足)を観察するべきである。
足るを知る人は地面に寝ていても安楽だといいます。
満足することを知らない人は、御殿に住んでいても満足することはありません。
足るを知る人は、物はなくても心は豊かです。

3、遠離
【遠離の功徳】
静寂で損得を忘れた世界の安らぎを求めたいと思うなら、
乱れてうるさいところを離れて一人居に静かに暮らすべきです。
自分の仲間や人々を離れて、苦悩を消滅させる根本を思うべきです。
そうでなければ、大きな樹に多くの鳥が集まると、
枯れて折れる心配があるようなものです。
俗世間の束縛と執着は大勢から起こる苦悩に埋没するのです。

4、精進
【精進の功徳】
努め励んで心をこめて進む努力(精進)をすれば、
物事として困難ということはないでしょう。
わずかな水が常に流れて石に穴を開けるようなもののように、
進む努力をしなさい。
もしもやる気を失えば、火おこしのキリをもむのに、まだ熱がたまっていないうちに疲れてやめてしまえば、すぐに冷えてしまい、
火を求めているのに、火を得ることは難しいようなものです。

次回は残りの
5、不忘念
6、禅定
7、智慧
8、不戯論
を書きたいと思います。

お経

2017.08.19

遺経(ゆいきょう)その5

仏垂般涅槃略説教誡経(ぶっしはつねはんりゃくせっきょうかいきょう)

世間的功徳の実践すべきものとしての、
七項目の
5、いかりは徳をさまたげること
まさに自分の心を内に落ち着かせて、
怒り、恨みの心(瞋恚しんに)を起こしてはならない。
また、正しく口を守って、ののしったり恨んだりする
言葉をいってはならない。
怒りを好き勝手ににすると、自分の道を妨げてしまい、
功徳の利益を失ってしまいます。
怒りの心は燃えさかる火よりも恐ろしいのです。

6、おごり、おもい上がり(憍慢きょうまん)の心をいましめる
僧侶なら、自らの意思で頭を剃りなさい。
飾りを捨てて衣を着て、応量器(おうりょうき)をもって、
乞食で自立しなさい。
もしも慢心が起こったら、早く取り除くのです。

7、他人にへつらい、自己をあざむく(諂曲てんごく)の心を
質直(しつじき)にすべきである
へつらいの心(諂曲てんごく)は解脱の道とは相反します。
ですので、己が心を正しくまっすぐにするのです。
また、知るべきです。へつらいの心は、
ただ、欺きと偽りを作ってしまいます。
心をきちんと正してまっすぐな在り方を基本にすべきです。

以上のように、第二段として
世間的功徳の実践すべきものとして
七項目が説かれております。

次に第三段には
仏教徒として実践すべき功徳として八大人覚(はちだいにんがく)が
説かれます。
1、少欲
2、知足
3、遠離
4、精進
5、不忘念
6、禅定
7、智慧
8、不戯論

また今後考えていこうかと思います。

お経

2017.08.14

遺経(ゆいきょう)その4

仏垂般涅槃略説教誡経(ぶっしはつねはんりゃくせっきょうかいきょう)

世間的功徳の実践すべきものとしての、
七項目の
3、多くを求めることを戒めること
いろいろな飲食の布施、恵みをいただくときには、
薬を服用するようにいただくように。
好きなものでも、嫌いなものでも、
または、あるものは多く、あるものは少なくしてはいけないと。
たとえば、蜜蜂が花から蜜をとるときに、ただその蜜の味だけとって、
花の色や香りを損なわないようなことです。

4、ふしだらな睡眠をつつしむべき
昼間は心を励まして人として善き教えの修行して、
時間を無駄にはしてはならない。大切な人生を無益に過ごしてはなりません。
また、恥を知るというこはとても大事なことです。
ですので、恥じる心をもち、忘れてはなりません。
恥じる心を忘れると、さまざまな功徳をも失います。
恥を知る人には必ず善き真実があります。

お経

2017.08.10

遺経(ゆいきょう) その3

序文が終わり、
次に 世間的功徳の実践すべきものとしての
七項目へと説かれていきます。

1、浄らかな生活をすべきこと
自ら心を正し、正しい思い(正念)にすることが大切である。
戒は、正しい解脱の根本です。戒をよりどころにすれば、
色々な落ち着き、静けさ(禅定)または苦を滅する智慧を生み出します。
戒は、第一番に穏やかな功徳のすみかであるということを。

2、五根とその主である心をつつしむべきを説く
眼、耳、鼻、舌、身という五根を制御すべきなのです。
わがままにして、
〈色欲、声欲、香のこだわり、味のこだわり、感触のこだわり
または、財欲、色欲、食欲、名誉欲、睡眠欲という五つの欲〉
欲望に陥ることがないようにしなさい。
とされております。
1の智慧を持てた人は自制して、欲望に従わないのです。

3、以降は次回へと

皎月院 こうげついん 副住職プロフィール

皎月院副住職 清水 亨龍

清水 亨龍 こうりゅう

御縁をありがとうございます。
駒大高校、駒澤大学卒業後平成13年冬に大本山永平寺(福井県)へ安居(修行)。平成15年より北海道へ修行。平成23年4月より皎月院へと戻り副住職として補佐をさせて頂いております清水亨龍(こうりゅう)です。 合掌

私の趣味はクライミング、スノーボードなど身体を動かす事です。また旅行も大好きです。ぜひ皆さま気軽にメールやお電話お待ちしております。

どうぞよろしくお願いします
(^人^)

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