2020.11.15
食事の最後にお唱えする偈文
『処世界梵』または『後唄』
と言っております。
『處世界如虚空(ししかいじきくん)
如蓮華不著水(じれんかふじゃしい)
心清浄超於彼(しんしんじんちょういひ)
稽首礼無上尊(きしゅりんぶじょうそん)』
【世界に処すること虚空の如く、
蓮華の水に著かざるが如し。
心の清浄なることは彼よりも超え、
稽首して無上尊を礼してたてまつる。】
三毒の欲を取り除き、仏さまのこころは、澄みわたった大空のようであり、美しい蓮の花が決して泥水に汚されないようである。心が清らかであれば、美しい花よりも麗しいものであり、その心のままお釈迦さまへ帰依することも礼拝すること自然とされることでしょう。食事をいただける歓喜は、慈悲・慈愛に満ちあふれ、感謝せずにはいられません。
日々の食事、三度の食事本当にありがとうございます。
合掌。
2020.11.15
折水(せっすい)とは、
食べ終わった器にお湯を入れ器を洗います。
その洗い終わった水のことを言います。
洗い終わった水には、少なからず食事の残りが溜まります。この残り水や物も粗末にせず河山の生き物へと施します。
この水を回収する際にお唱えします
折水の偈文があります。
『我此洗鉢水(がしせんばっすい) 如天甘露味(にょてんかんろみ) 施与鬼神衆(せよきじんしゅ) 悉令得飽満(しつりょうとくぼうまん) 唵摩休羅細娑婆訶(おんまくらさいそわか) 』
【我が此の鉢を洗いし水は、天の甘露の味の如し、鬼神衆に施し与えて、悉く飽満を得せしめん
唵摩休羅細娑婆訶は、[真言]であります。
オン(帰命) マクラ(吉祥) サイ(至極) ソワカ(円満・成就)】
2020.11.14
いざ食事をいただく最後の作法に
頭鉢(ずはつ)を恭しく捧げます。
頭鉢とは、応量器のお粥やご飯を入れるもっとも大きい器を言います。また、最も大切にしなければならないものでもあります。それは、お釈迦さまの頭であるかのようにと、教えられました。
擎鉢の偈文
『上分三宝(じょうぶんさんぼう)
中分四恩(ちゅうぶんしおん)
下及六道(げきゅうろくどう)
皆同供養(かいどうくよう)
一口為断一切悪(いっくいだんいっさいあく)
二口為修一切善(にくいしゅいっさいぜん)
三口為度諸衆生(さんくいどしょしゅじょう)
皆共成仏道(かいぐじょうぶつどう)』
【上は三宝に分ち、中、四恩に分かち、下は六道に及ぼし、皆同じく供養せん。
一口には一切の悪を断ぜんが為にし、二口には一切の善を修せんが為にし、三口には諸々の衆生を度せんが為にし、皆共に仏道を成ぜんことを】
ご飯をいただく前に頭鉢を頭の前まで捧げお唱えします。この食事は、
上は仏法僧の三宝に捧げ、父母、如来、師への四恩に報じ、したは、六道界である全てのものに哀愍を施し、分け隔てなく同じく供養しよう。
一口ごとにもろもろの悪をたち、すべての善行を行い、限りない世の中の迷いを覚まさせ、苦悩を救い、悟りの彼岸へと渡り、皆がともに無上のいのちに目覚めれる仏道を成就できるためにいただきましす。
食事を受けた者だけではなく、この食事を施してくださった皆には、布施の功徳によって共に安らぎを得ることができますよう心から願いましょう。
2020.11.13
生飯をさばと呼びます。
中食(ちゅうじき 昼食)を頂く時
自分の頂いたご飯の中から
米粒を(七粒)手でつかみ取り、生きとしものへ施します。それが、
生飯であり、偈文をもちろん唱えます。
『汝等鬼神衆(じてんきじんしゅ) 我今施汝供(ごきんすじきゅう)
此食遍十方(すじへんじほう) 一切鬼神共(いしきじんきゅう)』
【汝等鬼神衆よ、我れ今汝に供を施します。
此の食は十方に遍(あまね)くして、一切の鬼神と共にせんことを。】
汝ら飢えによって苦しむものたちよ、私はいま仏の加護によって、皆に供養いたしましょう。
一粒を七斛(しちこく)として十方にあまねからしめ、数限りない一切の飢えた者が共に飽満しうるように。
2020.11.13
永平寺での小食(しょうじき朝食)は必ずお粥でした。それも玄米がほとんどでした。
中食(ちゅうじき昼食)は麦ご飯です。
朝、昼の食事を頂く前に
『施食偈』という、偈文も必ずお唱えします。
朝は、
「粥有十利(しゅうゆうじり) 饒益行人(にょいあんじん)果報無辺(こほうぶへん ) 究竟常楽(きゅうきんじょうら)」
【粥には十利有り。行人を饒益(にょうやく)す。
果報無辺にして、究竟して常楽なり。】
お粥には十の利益、利点があります。
1、色(しき)。 体の肌、色つやが良くなる。
2、力(りき)。気力が増す。
3、寿(じゅ)。長命となる。
4、楽(らく)。過食とならず体が安楽。
5、詞清弁(ししょうべん)。言葉が清くさわやかになる。
6、宿食除(しゅくじきじょ)。宿とは古い意味。食べたものが消化しやすく、胸やけしにくい。
7、風除(ふうじょ)。風邪をひかない。
8、飢消(きしょう)。消化よく栄養となって身体に飢えを消す。
9、渇消(かつしょう)。喉の乾きが止まる。
10、大小便調適(だいしょうべんちょうてき)。便通が良い。
お粥を食すことは、饒益(にょうやく)、多くの利益をもたらし、安楽を得るでしょう。
次にお昼は、
「三徳六味(さんてるみ) 施仏及僧(しふぎゅすん) 法界有情(はかいうじん) 普同供養(ふずんきゅうにょう)」
【三徳六味を、仏及び僧と、法界の有情に施し、普ねく同じく供養せん。】
食物は三つの徳と六味を具していなければならない。
【三徳】
1、軽軟(きょうなん)。ご飯は柔らかくふっくらと。
2、浄潔(じょうけつ)。すべてきれいに料理する。
3、如法作(にょほうさ)。物のいのちをいかし、法にかなった料理作りをする。
【六味】
1、苦(く)。苦味
2、醋(さく)。すあじ。酸味。
3、甘(かん)。甘味
4、辛(しん)。辛味
5、鹹(かん)。塩味
6、淡(たん)。薄味
調理する物によって、色々と調合したり、香りよく、目に美しく、そして味良きものです。
三徳六味をそなえた食事を、ありとあらゆる人に施し、皆が等しく仏へと成る仏道修行に励むことができますように。
清水
御縁をありがとうございます。
駒大高校、駒澤大学卒業後平成13年冬に大本山永平寺(福井県)へ安居(修行)。平成15年より北海道へ修行。平成23年4月より皎月院へと戻り副住職として補佐をさせて頂いております清水亨龍(こうりゅう)です。 合掌
私の趣味はクライミング、スノーボードなど身体を動かす事です。また旅行も大好きです。ぜひ皆さま気軽にメールやお電話お待ちしております。
どうぞよろしくお願いします
(^人^)