曹洞宗 常圓山 皎月院

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禅のことば 曹洞宗 観音さま

2020.07.10

現世利益の仏さま

南無観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)

 

観音とは、サンスクリット語でアヴァローキテーシュヴァラを中国語に意訳された言葉です。

インド出身の鳩摩羅什(くまらじゅ)は、「見る」「観察する」という意味のアヴァローキテーと

「音」「声」という意味のシュヴァラより観音と訳されたようであり、

『西遊記』で有名な玄奘は、シュヴァラという言葉の意味を「自在な者」とされたようで

般若心経冒頭の言葉を観世音や観音ではなく「観自在菩薩」として訳されているのはそのためです。ですが、もちろん同じ仏さまです。

 

今回から曹洞宗でも特に親しまれております観音さまの妙徳などを

鳩摩羅什訳である『法華経』二十八品の中から「観世音菩薩普門品」第二十五より考えていこうと思います。

『観音経』を説くのはもちろんお釈迦さまです。

そしてご説法の場所は霊鷲山。

こちらは北東インド、ネパールの近くであり、今のラージギル(王舎城)付近にあります。

お釈迦さまのご説法の場として今なお大切にされております。私も2年前に行ってきました。名前からして、横から高台を眺めますと鷲のようにも見えてきます。

『法華経』をはじめ数多くのお経がここ霊鷲山で説かれております。

<観音経の背景として>

 

お釈迦さまはこの霊鷲山におり、周囲にはご説法を聞くために何万人もの人々が集まっているなか(衆中。八萬四千衆生、とお経には記載しており)

『観音経』の冒頭より、

「爾時。無盡意菩薩。即従座起。偏袒右肩。合掌向佛。而作是言」(にーじむーじんにぼーさそくじゅうざーきへんだーうーけんがっしょうこーぶつにーさーぜーごん)

【無盡意菩薩(むじんにぼさつ)が立ち上がり合掌し、観世音菩薩はどんないわれで観世音というのか、とお釈迦さまに問います。それに対し、お釈迦さまが答えていきます。】

「善男子。若有無量百千万億衆生。受諸苦悩。聞是観世音菩薩。一心称名観世音菩薩。即時観其音聲。皆得解脱。若有時是観世音菩薩名者。」(ぜーなんしにゃくうーむーりょうひゃくせんまんのくしゅうじょーくーのーもんぜーかんぜーおんぼーさーいっしんしょうみょうかんぜーおんぼーさーそくじーかんごーおんしょーかいとくげーだーにゃくうーじーぜーかんぜーおんぼーさーみょうしゃー)

【立派な若者よ、もし無量百千万億の生ける者たちがあってもろもろの苦悩を受けていたとして、この観世音菩薩の名を聞いて一心にその名を称えたならば、観世音菩薩は即時にその音声を観じて、皆、その苦しみから解放されるようにするのであろう】

 

そしてお釈迦さまは、観音さまの名を称えれば、「七難」を逃れることができ、また観音さまを心に念じたら、苦しみの根源である三毒、貪瞋痴(とんじんち)、貪欲・瞋恚(しんい(いかり)・痴(ぐち)から解放されることをお説きになっております。

有名な狩野元信筆『白衣観音図』

 

 

皎月院 こうげついん 副住職プロフィール

皎月院副住職 清水 亨龍

清水 亨龍 こうりゅう

御縁をありがとうございます。
駒大高校、駒澤大学卒業後平成13年冬に大本山永平寺(福井県)へ安居(修行)。平成15年より北海道へ修行。平成23年4月より皎月院へと戻り副住職として補佐をさせて頂いております清水亨龍(こうりゅう)です。 合掌

私の趣味はクライミング、スノーボードなど身体を動かす事です。また旅行も大好きです。ぜひ皆さま気軽にメールやお電話お待ちしております。

どうぞよろしくお願いします
(^人^)

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