2020.07.19
古くから観音さまの巡礼があります。
もっとも古くの例として、平安時代です。
京都で行った、清水寺、六角堂頂法寺、六波羅蜜寺などです。どちらも観音さまを御本尊としており、七ヶ所を詣るとされていたそうです。
これが元となり、のちに西国三十三所に繋がっております。板東三十三所は、鎌倉時代の成立のようです。
そして、室町時代に秩父三十三所が成立しましたが、西国、板東と合わせると九十九でした。
「日本百観音」ということにするため、秩父にもう1ヶ所追加されました。この百観音の結願所が、札所三十四番、曹洞宗水潜寺(すいせんじ)さんです。
宇治の興聖寺さまで頂いた御朱印
2020.07.18
無盡意菩薩が、観音さまはどのようにこの世に現れて、どのように教えを説いてくださるのですか?
という質問にお釈迦さまは、
観音さまは、願いを聞いてそれを叶えるだけではありません。
三十三通りのさまざまな姿になって、どこへでも救済に来て下さるのです。
①佛
②辟支仏(びゃくしぶつ)ほとけの教えによらず独力で悟られた者
③声聞(しょうもん)大乗仏教が小乗とおとしめて呼んだ修行者
④梵王(ぼんのう)梵天
⑤帝釈(たいしゃく)
⑥自在天 ⑦大自在天
⑧天大将軍 ⑨毘沙門天
⑩小王 ⑪長者 ⑫居士(在家の修行者)
⑬宰官 ⑭婆羅門(ばらもん)
⑮比丘(びく)男性の出家修行者
⑯比丘尼 女性の出家修行者
⑰優婆塞(うばそく)男性の在家仏教徒
⑱優婆夷(うばい)女性の在家仏教徒
⑲長者婦女 ⑳居士婦女
㉑宰官婦女 ㉒婆羅門婦女
㉓童男 ㉔童女
㉕天(天人) ㉖竜 ㉗夜叉 ㉘乾闥婆(けんだつば)
㉙阿修羅 ㉚迦楼羅(かるら)
㉛緊那羅(きんなら) ㉜摩睺羅伽(まごらが)
㉝執金剛(しゅうこんごう)
(聖観音菩薩 右足が少し前であり親指が少し浮いております。なぜでしょうか??)
このように三十三もの姿となって人々を悟りへと導いております。
ですから皆さまは、一心に観音さまを敬い大切にしなければなりません。
親指が浮いているのは、私たちをすぐにでも救おうという意志の現れだそうです。
2020.07.10
南無観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)
観音とは、サンスクリット語でアヴァローキテーシュヴァラを中国語に意訳された言葉です。
インド出身の鳩摩羅什(くまらじゅ)は、「見る」「観察する」という意味のアヴァローキテーと
「音」「声」という意味のシュヴァラより観音と訳されたようであり、
『西遊記』で有名な玄奘は、シュヴァラという言葉の意味を「自在な者」とされたようで
般若心経冒頭の言葉を観世音や観音ではなく「観自在菩薩」として訳されているのはそのためです。ですが、もちろん同じ仏さまです。
今回から曹洞宗でも特に親しまれております観音さまの妙徳などを
鳩摩羅什訳である『法華経』二十八品の中から「観世音菩薩普門品」第二十五より考えていこうと思います。
『観音経』を説くのはもちろんお釈迦さまです。
そしてご説法の場所は霊鷲山。
こちらは北東インド、ネパールの近くであり、今のラージギル(王舎城)付近にあります。
お釈迦さまのご説法の場として今なお大切にされております。私も2年前に行ってきました。名前からして、横から高台を眺めますと鷲のようにも見えてきます。
『法華経』をはじめ数多くのお経がここ霊鷲山で説かれております。
<観音経の背景として>
お釈迦さまはこの霊鷲山におり、周囲にはご説法を聞くために何万人もの人々が集まっているなか(衆中。八萬四千衆生、とお経には記載しており)
『観音経』の冒頭より、
「爾時。無盡意菩薩。即従座起。偏袒右肩。合掌向佛。而作是言」(にーじむーじんにぼーさそくじゅうざーきへんだーうーけんがっしょうこーぶつにーさーぜーごん)
【無盡意菩薩(むじんにぼさつ)が立ち上がり合掌し、観世音菩薩はどんないわれで観世音というのか、とお釈迦さまに問います。それに対し、お釈迦さまが答えていきます。】
「善男子。若有無量百千万億衆生。受諸苦悩。聞是観世音菩薩。一心称名観世音菩薩。即時観其音聲。皆得解脱。若有時是観世音菩薩名者。」(ぜーなんしにゃくうーむーりょうひゃくせんまんのくしゅうじょーくーのーもんぜーかんぜーおんぼーさーいっしんしょうみょうかんぜーおんぼーさーそくじーかんごーおんしょーかいとくげーだーにゃくうーじーぜーかんぜーおんぼーさーみょうしゃー)
【立派な若者よ、もし無量百千万億の生ける者たちがあってもろもろの苦悩を受けていたとして、この観世音菩薩の名を聞いて一心にその名を称えたならば、観世音菩薩は即時にその音声を観じて、皆、その苦しみから解放されるようにするのであろう】
そしてお釈迦さまは、観音さまの名を称えれば、「七難」を逃れることができ、また観音さまを心に念じたら、苦しみの根源である三毒、貪瞋痴(とんじんち)、貪欲・瞋恚(しんい(いかり)・痴(ぐち)から解放されることをお説きになっております。
有名な狩野元信筆『白衣観音図』
清水
御縁をありがとうございます。
駒大高校、駒澤大学卒業後平成13年冬に大本山永平寺(福井県)へ安居(修行)。平成15年より北海道へ修行。平成23年4月より皎月院へと戻り副住職として補佐をさせて頂いております清水亨龍(こうりゅう)です。 合掌
私の趣味はクライミング、スノーボードなど身体を動かす事です。また旅行も大好きです。ぜひ皆さま気軽にメールやお電話お待ちしております。
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