曹洞宗 常圓山 皎月院

修証義 道元さまのお言葉

2020.08.16

菩提心

『若(も)し菩提心(ぼだいしん)を発(おこ)して後六趣四生(のちろくしゅししょう)に輪転(りんでん)すと雖(いえど)も其輪転(そのりんでん)の因縁皆菩提(いんねんみなぼだい)の行願(ぎょうがん)となるなり』

これは道元禅師さまの『正法眼蔵』の渓声山色(けいせいさんしょく)の一文章であり

曹洞宗の修証義(しゅしょうぎ)という経典の第二十節

四章「発願利生(ほつがんりしょう)」の初めの方の一文にもあります。

これをわかりやすくしてみますと、

【もしも菩提心(仏教徒としての修行を志す心、思いを起こすこと)をおこしたのであれば、その後に地獄などと言った六道をめぐり、たとえさまざまな形で生まれ変わったとしても、そのことがそのまま因となったり、縁となったりされ、さとりへの道へと導かれるものである】と

このようにとらえるかと思います。

道を求める心、菩提心。

これは、やる気?とも解釈できるのかもしれません。

やる気を持ったということは、正しい道を正しく生きるために、正しい教えを聞こうと願われたということ。たとえ教えのとおりに実践できなくても、やる気をもっていれば、紆余曲折したり、左右にぶれているかのように思えても、しだいにそのふれ幅は狭まれていき、さとりの軌道をあゆまれているものなのです。

 

菩提心というやる気こそが大切なんでしょう。

札幌の浄國寺さまにて

 

法要

2020.08.15

盂蘭盆会

連日の猛暑です。

皎月院の初盂蘭盆会供養法要が終了。

今年は、コロナ感染防止のため5月には本年度の棚経は中止としておりました。各ご自宅には

希望者だけでもお参りへ行くべきであったのではないか?とも少し反省しております。ですが、来年こそは皆さまのご自宅へとお参りができるように日々祈願します。

終戦から本日75年。

お寺で中継を観たのは初めてかもしれません。

住職との会話で、

「親父(祖父)の背中の火傷覚えてるか?」

私「確かに湿布を貼ってあげたときに背中全体が、、、」

「若い頃は、火傷によって顔の頬や耳辺りも肌が突っ張ってたなぁ」と

さらに

「爆弾の爆風で船から海に落ちたらしんだよ。でも海面は油の炎や艦隊が炎上で、息継ぎの時は死に物狂いで手で海面を漕ぎながら息継ぎをする場所を探していたらしいぞ」

とボソッと言って

祖父の事を思い出しておりました。

きっと祖父が戻ってきていたんでしょうね。

祖父が無事に戻って来られたからこそ、住職も私も存在することができていますので、

「ご先祖さまあっての私」です。

「お陰様」=「ご先祖さま」

いつもありがとうございます   合掌

お香

2020.08.14

お香の十徳

お香には十の徳がございます。

ですので、ぜひとも本来のお香を使っていただきたいと思います。

 

お香の十徳とは、

1. 感格鬼神(かんはきじんにいたる)

感性を研ぎ澄まし、 感覚が鬼や神のように研ぎ澄まされる
2. 清淨心身(こころをきよらかにす)

身体も心も浄よらかにし、心身を清く浄化する
3. 能除汚穢(よくけがれをのぞく)

よく汚れを除き、けがれをとりのぞくことをします
4. 能覺睡眠(よくねむりをさます)

よく眠りを覚まし、眠気を覚まします
5. 静中成友(せいちゅうにともとなる)

静けさの中に心地が良く、孤独感を拭う
6. 塵裏偸閑(ぢんりにひまをぬすむ)

多忙な今にひとときの時間をもてなし、忙しいときであっても而今を和ませる
7. 多而不厭(おおくしていとわず)

多くも薫っても邪魔にはなりません。
8. 寡而為足(すくなくしてたれりとならず)

たとえ少なくても十分香りというものは放たれます
9. 久蔵不朽(ひさしくたくわえてくちず)

長期の時間保存しても香木本来は朽ちません
10. 常用無障(つねにもちいてさわりなし)

常に使用しても支障はありません

 

お香のことを更に知りたく

今後も勉強してまいります。

先日、初めて自分で調合しまして

匂い袋を作ることができました。

香司は、札幌在住の

石栗朋子さんでした。

禅のことば

2020.08.13

施餓鬼(せがき)

この言葉は

人権として問題が有りますので今では使用しておりません。

今は、『施食』としております。

字のごとく、「食を施す」です。

『餓鬼』とは、仏教での六道輪廻の世界、

六道、六趣の一つとされておりますが、

六道とは、

1、地獄ー自らの悪い業、行いによって苦しみの状態

2、餓鬼ー足ることを知らず欲求不満である状態

3、畜生ー愚鈍で、他のことを考えず、生命の本当の尊ささえも知らず、考えない状態

4、修羅ー不安一色。気持ちが落ち着いていない状態

5、人間ー苦楽があいなかばで、自他ともに無関心な状態

6、天道ーしあわせ絶頂であり、有頂天にもなっている状態

このように六道とはありますが、

本質的には、人間である私たち一人ひとりの内面に起こる、いろいろな心理状態を具現化されたものであります。その心理状態を正すのが坐禅なのかもしれません。

 

また、お釈迦さまや道元禅師さまは

霊魂であったり、死後の世界などの具体的なもの、実体視したものとしては説いておらず、

それよりも

むしろ今、この世での生き方を説かれております。

ぜひとも今がどうあるべきなのか、

偏らずに、しっかりと自分を落ち着いて見ながら

仏の道としての行いをしていきましょう。

札幌の浄國寺さまにて

六道を救ってくださるお地蔵さま。

南無地蔵菩薩

 

行事 御詠歌

2020.08.13

お盆入り

夕方から突然の雷雨でしたが、

朝から多くの方々がお墓参りに来られました。

杉や欅、楠の木が無くなったのでとっても明るくなりました。

明日は檀信徒の方々の新盆供養法要です。

住職と二人で勤めさせて頂きます。

 

『盂蘭盆会御詠歌(迎火)』5・7・5・7・7

【子等(こら)の焚(た)く 迎火の 炎(ほ)の さぐらぐは

みたまの母の 来たまえるらし】

今では厳しいかもしれませんが、盆入りの夕方、自宅前で火を焚き、その炎がそよそよと吹く風に揺らぎ

ご先祖様の”み霊”をお迎えし、「今年もお盆を迎えることができ、ご先祖さまがかえってきたんだなぁ」と

この歌詞はその情景を思い浮かぶかと思います。

「みたまの母」とありますが、

母だけではなく、ここでは、

亡き人や、ご先祖さまと解釈していただけたらと思います。

岡本和行さんの蓮展より

 

皎月院 こうげついん 副住職プロフィール

皎月院副住職 清水 亨龍

清水 亨龍 こうりゅう

御縁をありがとうございます。
駒大高校、駒澤大学卒業後平成13年冬に大本山永平寺(福井県)へ安居(修行)。平成15年より北海道へ修行。平成23年4月より皎月院へと戻り副住職として補佐をさせて頂いております清水亨龍(こうりゅう)です。 合掌

私の趣味はクライミング、スノーボードなど身体を動かす事です。また旅行も大好きです。ぜひ皆さま気軽にメールやお電話お待ちしております。

どうぞよろしくお願いします
(^人^)

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