曹洞宗 常圓山 皎月院

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道元さまのお言葉

2020.08.30

自己とは

道元さまのお言葉として

『正法眼蔵』の「現成公案」より

『仏道をならふといふは、自己をならふなり。

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

自己をわするるといふは、万法に証せらるるなり。』

があります。 これは

【仏道を習うということは、自己を習うのである。

自己を習うというは、自己を忘れるのである。

自己を忘れるというのは、大宇宙の真理にこの身を任せるのである。】

 

仏さまの生き方を身につけるということは、

自分自身とこの生きている世界を”究める”ことをいいます。

人というのは、

「自分の思い通りにしたい、思い通りになって欲しい」

という思いがあり、

思い通りにならないとき

悩みや苦しみなどの負の感情が生まれてしまいます。

また、思い通りにならない四苦八苦の悩みもです。

老いたくないのに老い、

病気になりたくないのに病におかされ、

死にたくないのに、必ず死を迎えてしまう。

人生とは何もかも自分の思い通りになるものではありません。

私たちの命もさまざまな条件によって成り立ち、その上で生かされているのです。

このように自覚することが大切であり、

仏道を学ぶということなのでもあります。

 

 

 

道元さまのお言葉

2020.08.30

自分のために

自分のためにも汗を流す

ことはとても大切な行いです。

道元禅師さまは中国へ渡られ、おもに天童山景徳寺で修行されました。

その中で典座(てんぞ)と言う

修行僧の食事を準備する(料理人)老僧と出会いました。ある日の暑い昼過ぎ、老典座和尚が竹の杖を携え、笠も着けずに海苔を干す作業をされておりました。道元さまはその様子が気になられ、老僧と会話をされました。

道元さま「お年はおいくつですか?」

老僧「68歳になる」

驚かれながらも道元さまは「どうして若い者にやらせないのですか?」と尋ねられました。

老僧『他は是れ吾にあらず  (他人は私ではない)』

道元さま「おっしゃる通りですが、何もこんなに日差しの暑い時にされなくても」

老僧『さらにいずれの時をか待たん』

海苔を干すのに暑い日差しの今以上に干すために良い時期がありますか。修行というものは、他人任せではなく、やらなければならないことは、やらなければならない時にやりましょう。それが一番大切である。

道元禅師さまの著書『典座教訓』に載っております。

 

 

修証義 道元さまのお言葉

2020.08.16

菩提心

『若(も)し菩提心(ぼだいしん)を発(おこ)して後六趣四生(のちろくしゅししょう)に輪転(りんでん)すと雖(いえど)も其輪転(そのりんでん)の因縁皆菩提(いんねんみなぼだい)の行願(ぎょうがん)となるなり』

これは道元禅師さまの『正法眼蔵』の渓声山色(けいせいさんしょく)の一文章であり

曹洞宗の修証義(しゅしょうぎ)という経典の第二十節

四章「発願利生(ほつがんりしょう)」の初めの方の一文にもあります。

これをわかりやすくしてみますと、

【もしも菩提心(仏教徒としての修行を志す心、思いを起こすこと)をおこしたのであれば、その後に地獄などと言った六道をめぐり、たとえさまざまな形で生まれ変わったとしても、そのことがそのまま因となったり、縁となったりされ、さとりへの道へと導かれるものである】と

このようにとらえるかと思います。

道を求める心、菩提心。

これは、やる気?とも解釈できるのかもしれません。

やる気を持ったということは、正しい道を正しく生きるために、正しい教えを聞こうと願われたということ。たとえ教えのとおりに実践できなくても、やる気をもっていれば、紆余曲折したり、左右にぶれているかのように思えても、しだいにそのふれ幅は狭まれていき、さとりの軌道をあゆまれているものなのです。

 

菩提心というやる気こそが大切なんでしょう。

札幌の浄國寺さまにて

 

道元さまのお言葉

2020.07.08

足の裏

皆さまは普段足の裏を見ながら足を洗っておりますか?

かかとや土踏まず、足の指と指の間など、

 

道元禅師さまの本師である如浄禅師さまは、「坐禅修行の生活をする禅僧は、かならず足を洗いなさい」と指導されていたようです。

手の甲や足の甲はよく見えますし、大地に接触する機会が少ないです。逆に足の裏は常に大地を踏みしめ、掌により大地からの恵を感じております。ですが、坐禅をするには足を組みます。その時には足の裏は両方ともくるりと天の方に向き、法界定印の手を組みますと、ひらもまた天を向きます。

だからこそ手を洗い足の裏を洗うことを勧め、指導されたのでしょう。しかもそれが1225、6年頃 道元禅師さま26歳頃の話ですので大切にしなければなりません。

インド クシナガラにて

 

道元禅師さまの書物

『正法眼蔵』洗面の巻にて

「経行をはりて、さらに端坐坐禅せんとするには、かならず洗足するといふ。足けがれ触(そく)せるにあらざれども、仏祖の法それかくのごとし。」

このように坐禅と坐禅の間にも足の裏を洗うようにも記述され残されております。

 

 

道元さまのお言葉

2020.06.06

爪を切ること

前回のブログにて

4、9日は浄髪(じょうはつ)髪を剃る日であると記しましたが、他にも爪をしっかりと短く切る日でもあります。今月ですと6回です。来月もですけどね。

皆さんは月に何度爪を切りますか?

私は4回くらいかもしれません。ですが短いです。

道元禅師さまは、中国へ渡り、天童山景徳寺31世如浄禅師さまを本師とされ修行されました。

その際、如浄禅師さまの言葉を

しっかりと忠実にまもられ、それを

『正法眼蔵』の「洗浄」の巻きにも残されております。

 

【十指の爪をきるべし、十指といふは、左右の両手の指のつめなり、足指の爪もおなじくきるべし】

このように残されております。

髪や爪を長く伸ばすという事は、お釈迦さまの戒められたことであり、道元禅師さまの真の師匠である天童如浄禅師さまからの教えでもあるのです。(当時、有髪であったり髪の長い僧侶も居たようである)したがって体や心を浄くする事に心がけ、さらには爪を切り髪を短くする事さえも私たち僧侶は一所懸命やるべきなのです。

境内の紫陽花が少しづつ咲いてきました。

梅雨が近づいて来たのですね。

 

皎月院 こうげついん 副住職プロフィール

皎月院副住職 清水 亨龍

清水 亨龍 こうりゅう

御縁をありがとうございます。
駒大高校、駒澤大学卒業後平成13年冬に大本山永平寺(福井県)へ安居(修行)。平成15年より北海道へ修行。平成23年4月より皎月院へと戻り副住職として補佐をさせて頂いております清水亨龍(こうりゅう)です。 合掌

私の趣味はクライミング、スノーボードなど身体を動かす事です。また旅行も大好きです。ぜひ皆さま気軽にメールやお電話お待ちしております。

どうぞよろしくお願いします
(^人^)

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