曹洞宗 常圓山 皎月院

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禅のことば

2020.06.24

初めてお盆を迎える(新盆・初盆)

来月や再来月に初めてのお盆をお迎えになる仏さまがいる皆さま方へ

 

 

私の住んでいる地域では7月と8月それぞれの地域にてお盆 を迎えています。

お盆は年に一度、ご先祖さまを家にお迎えする行事です。

年に一度戻ってこられたご先祖さまが、ゆったりできるよう(ご先祖さまは、たーくさんいます)
部屋を用意しましたり、 ご馳走をどうぞ、という私たちの想いで、お仏壇に沢山のお供えを飾ったり、精霊棚(しょうりょうだな)を作られたり、お仏壇と同様以上に沢山のお供え物をこしらえております。

精霊棚ではとくにお馴染みなのが、

ナスやキュウリで作られた牛と馬です。
来る時は 馬に乗って、早く懐かしい我が家へ
帰る時は 牛に土産を積み、ゆっくりおかえりください。ということです。ご先祖さまを想う、昔の人の優しい心が偲ばれますね。

最近は住まいの事情で、家に仏壇がないお宅もあるようですが、
今回は「仏壇の目的が何であるか」を考えてみたいと思います。

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お仏壇は単に、ご先祖さまの位牌をまつるところではありません。
実は、何がまつられていようと「拝む人の心」が その本尊の仏像なのです。
皆、それぞれの心の中には「仏の心」がきっと必ずあります。(今はわからなくとも必ず手を合わせる時が自ずとあります)

お仏壇を拝むこと、
それは 自分の中に潜む「仏心」を拝むことに他なりません。

しかもお仏壇があるのであれば、お仏壇に向かって、お参りすることこそ意味があります。

六波羅蜜の布施、持戒、忍辱、禅定、精進、智慧を行じています。

仏さまに お水やお花を奉るという心は、
お布施(ふせ)=与えるということです。

そして、そのお花は 忍辱(にんにく)=耐え忍ぶことを表したものであり
怒りや腹立ちなどの煩悩を忍耐する、心の象徴とされています。

お線香をあげるのは、精進(しょうじん)=努力すること。
お線香は一度火をつけますと、燃え尽きる最後まで持続します。
私たちも最後まで辛抱強く、努力精進する心が大切です。

お膳を供えるのは、禅定(ぜんじょう)=心の安定。
腹が減っては戦はできぬ。何よりもまず、お腹を満たすことが大事です。

そして暗闇の中(自分の煩悩や迷い)に、ホッと明かりが灯る。
その明かりが 智慧(ちえ)の灯明です。

このように、仏さまに供えるものは一つ一つ自分の心の象徴であり
左右に花と灯明、真ん中にお香、その前にお膳というように位置が決まっています。
この位置が決まっていることが、持戒(じかい)=戒律です。

日常茶飯の仏事にも、深遠なる教えが含まれております。

お仏壇に向かって 合掌礼拝することは「六波羅蜜を行ずる」こと、仏道そのものなわけであり、
いわゆる「修行」を行っているのです。
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私は朝起きて、仏さまに「今日も一日よろしくお願いします」と手を合わせ
夜は「今日も無事に終えることが出来ました。ありがとうございました」と感謝します。

また 畑でできた初物も、お客様から頂いた物も
まずはお仏壇にお供えし、仏さまから召し上がってもらいます。

ちょっとした習慣ですが、これも「立派な信仰の一つ」だと思っています。

毎日、仏さまを拝みつつ
時に ご先祖さまを偲び、時に 自分の中にある仏心に問いかけることが、

ホッと心が落ち着き、心の拠り所となっています。

皎月院副住職は、東京、神奈川、埼玉、千葉、山梨などご要望によりご自宅や墓前でのお参りを承けたまっております。

皎月院 こうげついん 副住職プロフィール

皎月院副住職 清水 亨龍

清水 亨龍 こうりゅう

御縁をありがとうございます。
駒大高校、駒澤大学卒業後平成13年冬に大本山永平寺(福井県)へ安居(修行)。平成15年より北海道へ修行。平成23年4月より皎月院へと戻り副住職として補佐をさせて頂いております清水亨龍(こうりゅう)です。 合掌

私の趣味はクライミング、スノーボードなど身体を動かす事です。また旅行も大好きです。ぜひ皆さま気軽にメールやお電話お待ちしております。

どうぞよろしくお願いします
(^人^)

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